きもの四方八方[ 伝え継ぐもの ]

3・4月
結城縮 お対のうちの羽織
晩年は京都清水に移り住んだ先代(吉茂)の遺した結
城縮のお対。柔らかな風合は、結城紬とは違った魅力
があります。近年では年産百反も織られていないそう
です。
濃藍に近い茶地に男物としては絣の大きい花十字絣、
羽裏を広げてびっくりしました。
大正十五年晩春五代福助と書かれ、父親の五代歌右衛
門の落款もあります。墨絵の竹と帰雁が羽二重の生地
に描かれています。むら田にはもう一つ、二人の名前
の入った掛軸「桃ひょうたん」があります。(最初の頁右枠の画参照)
ひと筆で瓢箪が力強く描かれ、桃はとても可憐です。
この頃むら田の店は歌舞伎座傍の木挽町にあり、役者
さんも立ち寄られたとか。先代の母たまさんはお芝居
が好きだったと聞いてます。このつながりで書いて頂
いたのでしょうか。聞ける人は誰もいません。